| [バルタザルは星座図鑑、カスパールは望遠鏡を持って登場。舞台中央よりやや上手] |
| バルタザル | [星座図鑑を調べながら]もし何かよくないことや、すばらしくよいことがおきるときには、星が教えてくれるはず。 |
| カスパール | [望遠鏡をあちこちに向けながら]でもとくに変わったことはありません。いつもどおりの星空です。 |
| バルタザル | ではいつもどおりの平和な毎日が続くということですね。 |
| カスパール | そうですね[突然驚く]あ、あの星は何だ? |
| バルタザル | どうしました? |
| カスパール | 西のほうに、とても大きな星が見えます |
| [下手から星登場、舞台中央に立つ] |
| バルタザル | ああ、とても大きな星ですね。あんな星は、この図鑑には書いてありません。 |
| カスパール | バルタザル博士、ちょっとメルヒオール博士を読んできてください。 |
| バルタザル | わかりました |
| [バルタザル、上手に退場。カスパールは望遠鏡を星にむけている] |
| カスパール | いったいあの星は、私たちに何を教えようとしているのだろう。 |
| [バルタザルとメルヒオール、急いで上手からもどってくる。メルヒオールは聖書を持っている] |
| バルタザル | メルヒオール博士、あの星です。 |
| メルヒオール | ああ、大きくて美しい星ですね。あの星のことは、聖書で読んだことがあります。 |
| [メルヒオール、聖書を調べ始める] |
| バルタザル | 本当ですか? |
| メルヒオール | ありました。これです[イザヤ書を開いてみせる]あの大きな光は、聖書のこの言葉が本当のことになったのでしょう。 |
| 預言者[声だけ] | やみの中を歩んでいた民は、大きな光を見た。死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が照った。 |
| カスパール | どういうことです? |
| メルヒオール | 偉大な新しい王様が生まれたということだ。 |
| バルタザル | それはすてきなことですね。それはどこでですか。 |
| 預言者[声だけ] | 海沿いの道、ヨルダン川のかなた、異邦人のガリラヤ |
| カスパール | では新しい王様をおがみに行きましょう。みんなでお祝いしましょう。 |
| バルタザル | そうしましょう。 |
| ナレーター | 三人の博士はこうして、イエス様の誕生をお祝いするために出発したのです。そしてやがて、イスラエルの国につくと、ヘロデ大王の宮殿を見つけました。 |
| [星だけ退場] |
| バルタザル | 新しい王様は、どこにいるのだろう。 |
| カスパール | 王様はやっぱり、宮殿にいるんじゃないかな。 |
| メルヒオール | では行ってみましょう。 |
| [ヘロデ大王と祭司長登場] |
| ヘロデ大王 | おまえたちは誰だ! |
| バルタザル | 私たちは遠い東の国から来た博士です。 |
| カスパール | ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおいでになりますか。 |
| メルヒオール | 私たちは、東のほうでその方の星を見たので、拝みにまいりました。 |
| ヘロデ大王 | なんだと。わたしのほかに、新しい王が生まれたというのか。そいつは何者だ。 |
| 祭司長 | どんな王かは、聖書にこう書いてあります。 |
| 預言者 | [声だけ]主を恐れることを喜び、その目の見るところによってさばかず、その耳の聞くところによって判決を下さず、正義をもって寄るべのない者をさばき、公正をもって国の貧しい者のために判決を下し、口のむちで国を打ち、くちびるの息で悪者を殺す。正義はその腰の帯となり、真実はその胴の帯となる。 |
| 祭司長 | これこそ、イスラエルの国のみんなが待っていた新しい王、救い主キリストなのです。 |
| ヘロデ大王 | [ものすごく怒って]馬鹿なことを言うな!イスラエルの王は私ひとりだ!今あたらしい王など現れては、反乱が起きたと思ってローマが攻めてくるぞ。 |
| 祭司長 | それは困ります。 |
| ヘロデ大王 | [独り言のように]新しい王など、いないほうがよいのだ。[祭司長に]その新しい王はどこで生まれるのだ? |
| 祭司長 | ダビデの町ベツレヘムです。聖書にはこう書いてあります。 |
| 預言者[声だけ] | ユダの地、ベツレヘム。あなたはユダを治める者たちの中で、決して一番小さくはない。わたしの民イスラエルを治める支配者が、あなたから出るのだから。 |
| ヘロデ大王 | ベツレヘムのどこだ? |
| 祭司長 | そこまではわかりませんが、ちいさい町ですからさがせば見つかるでしょう。 |
| ヘロデ大王 | そうか。博士たち、新しい王はベツレヘムの町に生まれることになっているそうだ。お前たち、行ってそのことを確かめて、また戻って来い。私も祝いに行くことにする。 |
| 博士たち | わかりました。 |
| [博士たち、上手に退場] |
| ヘロデ大王 | 博士たちが戻ってきたら、どこで生まれたか聞き出して、その新しい王とやらを殺してやる。私に代わって王になろうとする者は、たとえ私の子や兄弟であっても許しはしない。必ず殺す。 |
| [ヘロデと祭司長、退場] |
| ナレーター | ヘロデ大王がそんなことを考えているとは知らず、博士たちはベツレヘムを目指して旅を続けることにしました。 |
| [上手から博士たち登場] |
| バルタザル | こわそうな王様だったけど、何もなくてよかったね。 |
| カスパール | それより、あの星についてきたのに、どうして新しい王様のところじゃなくて、あんなこわい王様のところに来てしまったのだろう。 |
| メルヒオール | きっと私たちは、神様がつくった星についていくよりも、人間がつくった宮殿のほうが、新しい王様にふさわしいと思ってしまったのでしょう。 |
| バルタザル | なるほど。 |
| カスパール | 新しい王様は、闇の中を歩む民のための大いなる光なのだから、宮殿の中じゃなくてもっと民に近いところにおられるのかもしれない。 |
| メルヒオール | きっとそうですよ。ほら、あの星があんなところに。 |
| [メルヒオールの指差す方から、星登場。3人を手招きする] |
| カスパール | さあ、急ぎましょう。新しい王様のところへ |
| [博士たち、星のところへ行く。そろったところで、星は下手を指差す] |
| バルタザル | おお、あそこに新しい王様がおられるのか。 |
| メルヒオール | これは、家畜小屋ではありませんか。こんな汚いところで、王が生まれたのでしょうか。 |
| カスパール | 神様が見たら、ヘロデ大王が人々を苦しめて建てた宮殿のほうが、汚いのかもしれません。 |
| バルタザル | ごめんください。私たちは遠い東の国から、新しい王様が生まれたと聞いてやってきました。 |
| [マリアとヨセフ登場。ヨセフはイエスを抱いている] |
| ヨセフ | それは遠いところを、よく来てくださいました。この子が、天使が「ご自分の民をその罪から救ってくださる方です」と教えてくれた赤ちゃんです。 |
| マリア | 天使が命じたとおり、私たちはイエスと名づけました。 |
| ナレーター | イエスという名前は「主は救い」という意味です。こうして聖書にこう書いてあることが実現されました。 |
| 預言者 | [声だけ]主みずから、あなたがたに一つのしるしを与えられる。見よ。処女がみごもっている。そして男の子を産み、その名を『インマヌエル』と名づける。インマヌエルとは、神は私たちとともにおられる、という意味である。 |
| メルヒオール | なんというすばらしいことでしょう。神様はどこか遠くにいるのではなく、私たちといっしょにいてくださるのですね。 |
| カスパール | 私たちはあの星に導かれてきましたが、これからはこの新しい王様がみんなを導いてくださるのですね。 |
| バルタザル | 新しい王様、私たちのお祝いの品を受け取ってください。新しい王様が、この黄金のように人々を照らされますように。 |
| カスパール | 新しい王様が、この乳香のように人々に平安を与えられますように。 |
| メルヒオール | 新しい王様が、この没薬のように人々を癒されますように。さあ、さっそくこのことを、みんなに知らせましょう。 |
| [天使登場] |
| 天使 | 待ちなさい博士たち。この知らせはみんなに知らされるべきことですが、ヘロデ大王には知られてはいけません。あの悪い王は、救い主を赤ちゃんのうちに殺そうと狙っているのです。 |
| メルヒオール | なんと恐ろしいことを。 |
| カスパール | では、違う道をとおって帰りましょう。 |
| ナレーター | そして博士たちは、遠回りをして東の国へ帰っていきました。こうしてイエス様は、新しい王様としてお生まれになったのです。イエス様は、イスラエルだけの王様なのではありません。日本の国に住む私たちも、東の国の博士たちのように、今も生きておられるイエス様に会いにいきましょう。イエス様を「私の王様」と呼べば、神様が一緒にいてくださるのです。ハレルヤ。 |
| [了] |