おじゃる丸、世界を行く【第2話:インド編】

※ これはNHK教育テレビの傑作アニメのパロディであって、実際の放送とはまったく関係ありません。なお、本文中である宗教について触れていますが、他意があってのことでないのはご理解いただけるかと思います。


シーン1 アジアのどこかの山中

アカネ

おじゃる丸はインドにむかったらしいよ

キスケ

どうするっピ?

アオベェ

郷に入っては郷に従えと言うでゴンス。インドでは『インドで目立たない方法』を考えるでゴンス

シーン2 インドめざして国境へ山道を進む、超おんぼろバスの中。

カズマ

おおじじいちゃちゃんん、すすごごいい、ゆゆれれだだねね

トミー

山道ですから。バスが故障しなければよいのですが

おじゃる丸

おおおじゃふぅぅぅぅ、ななんんぎぎじゃじゃののうううう。ななぜぜ、ぎぎっしゃしゃでで、まままったたたたり、いいかんののじゃじゃああああああ

電ボ

このような道では、牛車でも難儀いたしましょう

[空中に浮いている電ボはともかく、なぜトミーが平然といつものようにしゃべれるのかは謎。やがてバスは「ここよりインド」という旗の立つドライブイン村で小休憩となる。そこへ小鬼トリオ登場。今日の着ぐるみは3人とも牛。]

アオベェ

やいおじゃる丸、シャクを返すでゴンス

キスケ

返すっぴ

トミー

おや、小鬼くんたち

カズマ

わー、どうやってついてくるんだろ

おじゃる丸

なんじゃ、そのかっこうは

トミー

さすがですね。インドの人たちは、牛を大事にしますから

アカネ

なにをごちゃごちゃ言ってるんだい

アオベェ

とにかく合体するでゴンス

小鬼トリオ

合体!

[・・・。]

キスケ

お、おもいっぴ

アオベェ

アカネ、太ったでゴンスか?

アカネ

ち、違うよ、上に何かいるんだよ

[牛の着ぐるみトリオの上にいたのは、ヘイアンチョウからおじゃる丸に会いにきた牛だった。]

おじゃるさま、会いたかったモー

[牛の重さに耐えきれず、合体がつぶれる。]

アオベエ

な、何をするでゴンスか

[しかしアオベエの抗議も耳に入らず、牛はおじゃる丸と抱き合う。]

おじゃる丸

うしぃ〜。会いたかった〜

おじゃるさま、元気だったかモー?

アカネ

とにかく、シャクを取り返すんだよ

[抱き合う二人に飛びかかろうとするトリオ。しかしその間に、バスの乗客や村人たちが割って入った。]

インド人

オマエタチ、何ヲスルツモリダ(かなり怒っている)。

アカネ

な、なんで怒ってるんだい?

アオベェ

わからないでゴンス

キスケ

怖いっピ

トミー

インドには、牛は神様の使いだと信じてる人が多いのです

アオベェ

牛には用はないでゴンス。用があるのは、おじゃる丸の持っているシャクだけでゴンス

インド人

ソノ服ハ、神様ヲバカニシテイルノカ

[あわてて着ぐるみを脱ぐトリオ。しかしインド人の怒りはおさまらない。じりじりとインド人がトリオに迫る。]

キスケ

ど、どうするっピ?

アオベェ

しかたがないでゴンス。今日のところは引き上げるでゴンス

[遁走するトリオ。ところでインド人が牛をふりむくと。。。]

おじゃる丸

よう来てくれたのう。ちょうど牛車がほしかったのじゃ

[烏帽子から牛車をだし、牛にひかせようとするおじゃる丸。たちまち取り囲むインド人]

おじゃる丸

な、なんじゃぁ?

カズマ

だからぁ。神様の使いにそんなことしちゃダメだってば

おじゃる丸

何を言うか。ウシが神の使いなら、まろだってみやびなお子様じゃ

[おじゃる丸、鼻の穴を大きく広げて、インド人に向かってシャクをかまえる。そのとき、牛がおじゃる丸とインド人たちの間に割って入った。]

おじゃるさまに手を出したら、許さないんだモー

インド人

牛ガ立チアガッタ!

インド人

牛ガシャベッタ!

インド人

コノ牛ハ、本物ノ神様ダ

インド人

神殿ニオ連レシヨウ

[牛を取り囲み、担ぎ上げてどこかへ運ぼうとするインド人たち。]

おじゃる丸

これ、どうする気じゃあ〜

おじゃるさま〜

[そのとき、光とともに牛がすっと消えてしまった。ヘイアンチョウに帰る時間が来てしまったのだ。

(空のどこかから声だけ)おじゃるさま、また会いに来るんだモー

おじゃる丸

(空に向かって)うしぃ〜

[昼の青空にぽっかり浮かんだ白い満月に、牛の笑顔がフェードアウトしていく。]