この憲法改正案の思想的前提

「思想的」なんていうと引いちゃう人もいるかもしれないけど、人の意見というものはその人の背景(生い立ちや政治信条や宗教観や生活環境やその他もろもろ)の上にしか成り立たないと思うので、坂井信生の意見を読んでもらう前に、坂井がどういう考え方をする人間なのかを明らかにしておいたほうがいいと思う。

坂井は、日本人で、愛国者で、アジア人で、地球人で、クリスチャンです。

クリスチャンといってもいろいろだけど、プロテスタント(新教)で、どちらかっていうと原理主義者(ファンダメンタリスト)だと思う。
日本人の多くは、キリスト教は西欧の宗教だと思っているかもしれない。けどアジア発祥の宗教です。日本には欧米経由で伝わったので、欧米的な傾向が強いのは確かだけど、聖書の教えは普遍的なものです。

坂井は、日本人として、日本の文化や伝統を愛しています。実はキリスト教は、知ってみれば日本人にはかなり馴染みやすいものなんです。たとえば、八紘一宇とか、親鸞上人の説いた他力救済とかの言葉がわかる人は、聖書の教えはすぐにわかると思う。
そもそもキリスト教は、景教という名ではるか昔にシルクロードを通って中国まで伝わっていて、聖徳太子や聖武天皇の施策にも影響を与えた可能性がかなり強い。(欧米経由ではない元来の)聖書の教えを、日本人はアイデンティティの中にすでに持ってるんですよ。

坂井は愛国者です。といっても、右翼でも民族主義者でもありません。

坂井は天皇をカミサマ扱いしませんが、国民の統合の象徴として、国旗同様に大事にしたい日本人です。ただし、宮内庁やマスコミは嫌いです。どういうことかというと、国旗掲揚のときに脱帽も起立もしないでくっちゃべってる若造がいれば私は怒る。どうせ税金を使うなら、政治家が視察という名で遊びに行くより、皇室に訪問に行ってほしい。宮内庁の言いなりになって、不敬罪が怖いかのように皇室を扱うマスコミは嫌い。ということです。
歴史認識(とくに先の大戦)については、皇国史観にも自虐史観にも与しません。それ以前に事実の検証(南京大虐殺は本当はどうだったのかとか、米国の秘密文書の公開がもっと進まなきゃなどなど)を求める者です。

三島由紀夫も「天皇でなくても、専制君主でもいいんだけど」と言ったそうですが、何でもいいから目に見える形で「これを中心に俺たち日本人はひとつなんだ」と言えるものが、私たちには必要です。本当は聖書(欧米的宗教としてのキリスト教ではなく)がその位置に来るのが絶対にベストだと確信しているのだけど、この私案では現実的な案を考えたいので、そこまでドラスティックなことは言いません。現段階で現実的に考えるなら、日本人の芯は天皇以外にないと思います。

坂井はアジア人です。グローバルスタンダードという名のアメリカンスタンダードには踊らされたくありません(イイトコ取りはさせてもらうけどね)。
なんだかんだ言っても日本の国力はアジアでも有色人の中でも有数。ということは、白人優位主義、西洋優位主義、人種差別主義の是正のために、好むと好まざるとによらず先陣に立つ責任がある。名誉白人なんていわれて喜んでいた過去を恥じて、脱亜入欧より脱欧帰亜して、責任を果たす国であるべきなんだ。
(もちろん、先の戦争で日本が100%正しかったなんて思わない。西(韓半島や中国大陸)では、ソ連の南下政策と戦うためとはいえ、多大な迷惑をかけたのは事実。けど南では、結果論的にはあの戦争によって、あるいは戦後に現地に残った日本兵の協力によって、欧米列強の植民地支配から解放することができた国がいくつもあるってのもまた事実であることは、自衛隊がカンボジアにPKOに行ったときの現地の歓迎ぶりが証明していると思う。
それに、この私案のスタンスとしては、あの戦争でともに戦ってくれた朝鮮人たちに感謝をささげたい。日本軍が募集した人数の何十倍もの人が志願してくれた。朝鮮人将校の下で日本人兵が戦った部隊も珍しいことではなかった。(でも戦争反対のために多くの朝鮮人、とくにクリスチャンや牧師たちが、日本国内の戦争に反対した人たちと同じ目にあったこと忘れるわけにはいかないけど)