使徒トマス

menu
用語
人名。キリストの十二弟子(使徒)の一人。
邦訳での表記
トマス(新共同訳など)
英語表記
Thomas

名前について

「トマス」という名がアラム語の「双子」に近い発音のため、ヨハネ福音書では「ディディモ(ギリシャ語で”双子”)と呼ばれるトマス」と書かれています。このため「キリストの双子の兄弟だった」なんて主張する説もあるとか。

人物像

共観福音書では使徒の一覧に名前が出てくるだけですが、ヨハネ福音書では印象的に描かれています。
ラザロという男が病死したとき、イエスは彼を生き返らせに行こうとして、弟子たちに「彼のところへ行こう」と言いました。ところが、イエスはユダヤ教の指導者たちから目の敵にされていたため、「死んだラザロのところへ行く」と言うのを聞いたトマスは、イエスが死にに行くつもりなのだと勘違いしてしまいます。そしてトマスはほかの弟子たちに「わたしたちも行って、一緒に死のうではないか」と言ったのです。

こんな気迫あるトマスでしたが、一方では冷静というか、実証的な発想をする一面もありました。
十字架後に復活したイエスに弟子たちが再会したとき、たまたまトマスは一緒にいなかったのですが、あとで他の弟子たちから「主が生き返った」と聞かされた彼は「わたしは、その手に釘あとを見、わたしの指をその釘あとにさし入れ、また、わたしの手をそのわきにさし入れてみなければ、決して信じない」と答えました。

このためにトマスは、後日イエスに会えた時、「信じない者ではなく、信じる者になりなさい。」「見ないのに信じる人は、幸いである。」とさとされます。また、パウロの「わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。」(コリント二4:18)という言葉と対比され、トマスはどうも”疑う者”という印象があります。
しかし見方を変えるなら、信じられないことは信じられない、わからないことはわからない(ヨハネ福音書14章6節)と率直に認め、けれどその結果として信仰を深める否や全身全霊を傾けるという、快男児であったと言えないでしょうか。筆者の主観で申し訳ありませんが、12人の中で一番すきな弟子です。(拙文使徒トマスの反論もご覧ください。)

その後のトマスは、今のイラン北部に伝道したと伝えられています。外典の「トマス行伝」によれば、インドまで伝道したそうです。
キリスト教のネストリウス派(当時は異端とされたが、近年再評価されつつある)は、景教(けいきょう)という名で中国に伝わって大流行しました。(景教によって、ザビエルよりはるか昔の時代に、キリスト教が聖武天皇などの政策に影響を与えた可能性を主張する説もあります)。もしかしたら、トマスがアジア方面に布教していた下地があってのことかもしれませんね。

トマスにちなんだ人名

英語でもドイツ語でもフランス語でもみな綴りはThomas。でも、読み方は、

  • どちらかというとアメリカ英語:タマス
  • どちらかというとイギリス英語:トマス
  • ドイツ語:トーマス
  • フランス語:トマ
  • Tomasという綴りもあります。
    ニックネームは、トム(Tom)、トミー(Tommy,Tommey)など。
    女の子の名前になると、トミーナ(Tomina)とかトマシーナ(Thomasina)、トマシン(Thomasin)などがあります。
    名字になると、トンプソン(Thompson)、トムソン(Thomson,Tomson)、トマソン(Thomason)などがあります。

    有名人では、機関車トーマス(人か?)のほかにも、
    発明王トーマス・エジソン、
    ヨーロッパの時刻表で有名なトーマス・クック、
    冒険大好きトム・ソーヤ、
    炎のギタリスト トミー・ボーリン、
    80年代のおしゃれなブリティッシュ・ポップ・グループ トンプソンツインズ、
    ジャズピアニストのトミー・フラナガンなどなど。

    また、トマソンといえば、三振の山を築いたゲーリー・トマソンですね。

    トミーといえば、鉄道ファンなら忘れちゃいけない「プラレール」のメーカーでしょう。ミニカーの「トミカ」、鉄道模型の「Tomix」とともに、オトコノコなら誰もが通る道だったのでは?
    ほかに、バンド「ザ・ブリリアント・グリーン」のヴォーカルがソロ活動しているトミー・フェブラリー、
    NHK教育TVの人気アニメ「おじゃるまる」のトミーおじいさんも。

    関連語句

    使徒

    作成:1998年12月22日
    更新:2006年08月31日

    ホームページ