使徒ヨハネ

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用語
人名。キリストの十二弟子(使徒)の一人。
邦訳での表記
ヨハネ(新共同訳など)
英語表記
John

名前

ヨハネは「主は恵み深い」の意味。

家族

兄弟のヤコブも同じく十二使徒のひとり。父ゼベダイは、ガリラヤ湖で雇い人を抱えていた漁師、日本で言えば網元のような人だった。母も名前は不明だが聖書に登場する。

人物像

ガリラヤ湖の漁師で、湖畔のベツサイダの出身。詳しくは兄弟ヤコブの項を参照。

ヤコブとペトロとの3人で、12人の中でも特にイエスのそばで行動していた様子が聖書からうかがえます。
使徒言行録3章では、ペトロとヨハネのコンビで、神殿に礼拝に行きそこで生まれつき足の悪い人をいやす奇跡が行われています。初代教会(復活後のキリストが生きたまま天に昇ったあと、弟子たちがイエスの命令に従って宣教を開始していった時代の、初期キリスト教)において、中心的な活躍をした人物の一人だったようです。

著作

新約聖書中の「ヨハネによる福音書」は、その最後に「イエスの愛しておられた弟子」がこの福音書を書いたとありますが、これは使徒ヨハネが自分の名を伏せて書いたものなのだろう、と伝統的に考えられています。

新約聖書には「ヨハネの手紙」が第一から第三までの三通が収められていますが、特に第二と第三については文中に「長老」が書いたとあって、この長老はヨハネの福音書の著者と同一人物だろうと考えられています。

「ヨハネの黙示録」は文中に「しもべヨハネ」が書いたとあります。これも「主のしもべ=使徒」のヨハネが書いたのであろうと考えられています。

※ 以上は「伝統的にそのように考えられている」というもので、一般に聖書各巻の著者の特定は、断定できることのほうが少ないです。著者の署名(文中での名乗りも含めて)があるほうが珍しいということや、同名異人が多いことなどによるものです。
ヨハネの黙示録を書いた「しもべヨハネ」は、「パトモスと呼ばれる島にい」て、エフェソの教会に書簡を送っています。また古い伝承によれば、使徒ヨハネは迫害によってパトモス島に流されたがドミティアヌス帝(96年没)の死後に島から帰り、トラヤヌス帝(98~117年)の時代まで生きてエフェソで死んだと伝えられています。1世紀の終わりまで生きていたとは考えにくいと思わせる他の伝承もあり、同名異人である可能性も残るのです。

古代文書のうちのどれを「聖書」に含めるかは、著者が誰であるか(誰であると伝えられているか)によるのではなく、その内容によるものであるため、著者について学術的にこだわったりはしないようです。

聖書の中の同名異人

「洗礼者ヨハネがヨハネ福音書の著者」というのはよくある勘違いです。洗礼者ヨハネ、あるいは「バプテスマのヨハネ」と呼ばれた人物は、昔の偉大な預言者エリヤの再来として世に現れ、キリストの先駆者として人々に悔い改めをせまった人物です。

「マルコによる福音書」を書いたのは、「マルコと呼ばれたヨハネ」(使徒言行録12章12、同書12章25、同書15章37)と考えられています。

この人にちなんだ人名

ヘブライ語ヨーハーナーン(Johanan)
ギリシャ語ヨハネ(Johannes)
ラテン語ヨハネス(Joannes,Johannes)
英語ジョン(John)
フランス語ヨハン(Johan)
スコットランド語イアン(Ian)
アイルランド語ショーン(Sean)

これらから派生して、ジャン(ヤン)(Jan)、ジェン(Jen)、ハン(Hann)、ハンス(Hans)など。
Johnの愛称はジョニー(Johnny,Johnnie,Jonney,Jonnyなど)、ジャック(Jack)。
名字になると、ジョンソン(Johnson)、ジョーンズ(Johnes)、ジャクソン(Jackson)、ハンコック(Hancock)。
女性の名になると、ジェーン(Jane)、ジーン(Jean)、ジョアン(Joan)、ジョアンナ(Joanna)、ジャネット(Janet)、さらに派生してシーナ(Sheena)なども。

有名人の例としては、
ジャネット・ジャクソン(ミュージシャン)、
ヨハネ・パウロ2世(ローマ教皇)、
ジャック・マイヨール(潜水家)、
バイオレンス・ジャック(永井豪)など。

銀河英雄伝説のヤン提督なんかは、どうでしょうね。

関連語句

使徒

ゼベダイの子ヤコブ[ヨハネの兄弟]


メルマガ「聖書を読んでみよう」増刊11号(1998年11月2日配信)に掲載したものを加筆訂正しています。
「この人にちなんだ人名」は、すのぴ氏のご協力によるものです。

作成:1998年11月02日
更新:2007年02月16日

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