ゼベダイの子ヤコブ

menu
用語
人名。キリストの十二弟子(使徒)の一人。
邦訳での表記
ゼベダイの子ヤコブ(新共同訳、新改訳など)
英語表記
James the son of Zebedee

名前

ヤコブは「ヤハウェは救ってくださる。」の意味。

同じく十二弟子の一人で小ヤコブとも呼ばれた「アルファイの子ヤコブ」と区別して、「大ヤコブ」「年長のヤコブ」とも呼ばれた。

家族

兄弟のヨハネも同じく十二使徒のひとり。父ゼベダイは、ガリラヤ湖で雇い人を抱えていた漁師、日本で言えば網元のような人だった。母も名前は不明だが聖書に登場する。

人物像

ガリラヤ湖の漁師で、湖畔のベツサイダの出身。

ヤコブとヨハネの兄弟は、イエスから「ボアネルゲス(雷の子)」とあだ名されていました。二人してカッとしやすい性格だったのでしょうか。サマリアの村がイエス・キリスト一行を歓迎しなかったとき、この兄弟は「天から火を降らせて、彼らを焼き滅ぼしましょうか」と言い出してイエスに叱られています(ルカ9:51-56)。

この「雷ブラザース」とペトロは、十二使徒のなかでも特にキリストのそばにいることが多く、キリストがこの3人だけを連れて行動することも度々ありました。
それで「もっとも信頼されていた弟子たち」「キリストの側近」と説明されていることが多いです。が。。。。。。
血気盛んな「雷兄弟」と、フライングしてばかりのペトロ。師イエスとしては、他の弟子以上に教える必要がある3人として連れていたか、もしかすると危なっかしくて目を離せなかったのかも、と思ってしまいます。(弟子の誰かがキリストに叱られてる場面はたいてい、この3人の誰かです)

ある時、ヤコブは兄弟ヨハネとともにキリストに願い出て、神の国においてキリストに次ぐ位を求めます(マルコ10:35-45)。この時キリストは、君たちは何を願っているかわかっているのか、とたしなめたあと、自分が受ける杯(苦難を象徴)を、ヤコブたちも受けると予告しました。
果たしてヤコブは使徒の中では最初の殉教者となります。使徒言行録(使徒行伝)12章冒頭によれば、ヘロデ・アグリッパ一世によるクリスチャン迫害の中、時に西暦44年のことでした。
ローマ帝国からガリラヤの統治をまかされたヘロデは、キリスト教に反対するユダヤ人の歓心を買うためにキリスト教徒を迫害したのです。このとき、まっさきにヤコブの首を刎ねたところをみると、兄弟ヨハネがペトロとエルサレムの教会で指導的役割にあたっていたころ、ヤコブはガリラヤのキリスト教徒の指導者として活躍していたのかも知れません。

この兄弟の、名前の出てこない母についてですが。

キリストが十字架で一度死んだとき、近くに婦人たちがいたと書いてありますが、マタイ福音書27:56とマルコ福音書15:40では、その中の3人について特記されています。このふたつの記述をつきあわせると、ゼベダイの子らの母の名はサロメ(「平和」の意)です。
さらにヨハネ福音書19:25と照らすと、サロメは「イエスの母マリア」の姉妹だった可能性もあります。あくまでも「かもしれない」なのですが、そうだとすると、この雷兄弟はイエスのイトコということになりますね。

聖書の中の同名異人

アルファイの子ヤコブの項を参照。

この人にちなんだ人名

日本語にするとどちらもヤコブですが、旧約に出てくるヤコブと、新約に出てくるヤコブはちょっと違います。ヘブライ語だとどちらも”ヤコブ(Yaaqob)”なのですが。

 
旧約のヤコブ主イエスの弟子ヤコブ
ギリシャ語IakobIakobos
英語Jacob(ジェイコブ)James(ジェイムス)
フランス語Jacob(ジャコブ)Jacques(ジャーク)
ドイツ語Jakob(ヤーコプ)Jakobus(ヤコーブス)
中国語雅各雅各
日本語ヤコブヤコブ

ヘブライ語のYaaqobをギリシャ語表記するとIakobとなり、ギリシャ語に訳す(ギリシャ語形にする)とIakobosとなります。ヘブライ語で書かれた旧約聖書と、ギリシャ語の写本しか残っていない新約聖書の違いのようです。
西洋ではちゃんと区別されているのに、東洋に来ると、区別がなくなっちゃったのかな。。。それとも、ヘブライ語(旧約聖書はヘブライ語で書かれた)のヤコブとギリシャ語(新約聖書はギリシャ語で書かれた)のヤコブとは、東洋の言語では区別しにくい発音で、結局原語の読み方にそって表記すると同じになってしまったのかな。。。

ラテン語:ヤコブス(Jacobus)
後期ラテン語:ヤコムス(Jacomus)
こうしてみると、なぜヤコブがジェームスになるのか、わかるような気がします。ヤコブ→ヤコブス→ヤコムス→ジェームス。

ケルト語:Jago
ウエールズ語:イアーゴー(Iago)
スペイン語:Jaime
スコットランド語:Jamie
愛称は、ジェイク(Jake)、ジム(Jim)、ジミー(Jimmie、Jimmy)。
女性の名では、スコットランド語:ジャコビーナ(Jacobina)、フランス語:ジャクリーン(Jacqueline)

有名人の例としては、ジェームス・ボンド(MI6の諜報員)、ジェームス"・ディーン(俳優)、ジミー大西(画家?)、イアーゴー(シェイクスピア「オセロ」の悪役)、ジム・ケリー(アメフト:バファロー・ビルズをスーパーボウル4年連続出場に導いたQB)、ジミー・ジョンソン(アメフト:ダラス・カウボーイズをどん底から引き上げた名将)

関連語句

使徒

ヨハネ[ヤコブの兄弟]


メルマガ「聖書を読んでみよう」増刊12号(1998年11月9日配信)に掲載したものを加筆訂正しています。
「この人にちなんだ人名」は、すのぴ氏のご協力によるものです。

作成:1998年11月09日
更新:2007年02月16日

ホームページ