アンディ・フグの追悼記事

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このページは、アンディ・フグを追悼することじゃなくて、アンディ・フグの追悼記事を扱うマスコミについてのことです。

必殺かかと落とし?

アンディ・フグといえば、かかと落とし。フグを知っていればかかと落としを知っている。勝利のパフォーマンスでは、リングの四方に向けてかかと落としを披露していたもんね。カップ面のCMでも使われたし、とにかく見た目も派手な技だし。

でも「必殺技」かぁ?かかと落としは、硬いかかとが上からぶつかってくるから利く。アンディが脚を振り上げたら距離を縮めれば、ふくらはぎが上からぶつかってきたって大したことはない。そんなことはK-1の選手はみんなわかっていた。K-1参戦したころのアンディが苦戦したのも、かかと落としが効かなかったこともあるんじゃないか。

かかと落としといえば、「かかと落とし対決」と言われたピア・ゲネット戦。ゲネットが「どっちが本物のネリョチャギ(テコンドーで言うかかと落とし)か見せてやる」とか言ってたのに、アンディはかかと落としをまったく使わずにKO勝利。
確かにかかと落としは、脅威ではある。だから、かかと落としに行くと見せかけての他の技が効くんだ。必殺技というなら、たとえばフグトルネードのほうが必殺技だっての。

(ところで、ゲネットの宙に舞いながらのネリョチャギは、篠山紀信がゲネットを撮りたくなるのもわかるくらい美しい。美しい上にテコンドー界では強いというのだからゲネットはすごい。ほかの格闘家にはない魅力だ。K-1向きではないかもしれないが)

すべてのスポーツ報道にいえることだけど、受け手(読者や視聴者)をシロウト扱いし過ぎている。野球中継なんて、実況は画面を見ていればわかることを言葉にするだけだし、解説は文句つけるだけだし、フィールドよりもゲストを映していたりする。サッカーもバレーボールも絶叫するだけ。オリンピックはスポーツの祭典じゃなくて報道陣のお祭り。試合を見たいのに、会場とスタジオの二元中継なんていらないっての。
アンディ・フグのことを報道するなら、かかと落としと書けばいいと思ってるんだよな。アンディの足跡も、K-1での戦績のみ。極真松井派の松井館長と決勝を戦ったときのことは、数行ふれればいいほうだったりする。

日本人以上のサムライ?

日本人からサムライスピリットなるものが失われて久しいらしい。アンディほどのサムライはいないらしい。

ちょっとまてオイ!

空手代表という期待を背負ってK-1に参戦しパトスミに負け。リベンジを期してベルちゃんに負け。やっとつかんだ96年の栄光。日本人ごのみのストーリーだよ。けどね。96GPでアンディが優勝できたのだって、武蔵(当時はムサシ)がベルナルドの脚にダメージをしこたま与えていたところにフグトルネードが決まったおかげだよ。ベストコンディション同士だったら、ベルナルドに勝てたかどうか(もちろん、それこそがトーナメント戦の妙味ってもんだけどね)

それに、日本人にアンディ以上のサムライがいないようなこと言われちゃあね。
たとえば今年の極真世界大会。フィリォやフェイトーザなんてブラジル勢を相手に戦い抜いた数見肇を忘れちゃ困る。満身創痍で、最後は敗れたものの、いまどき「日本のために戦います」なんて、オリンピック代表だって言えないっての。
骨折した拳から骨が飛び出したまま戦いつづけた『伝説の空手家』黒澤浩樹なんか、Kのリングではまだ結果を出せたとは言えないけど、「サムライ」というより「侍」だぜ。

アンディがサムライなんじゃない。サムライというなら、アンディも数見も黒澤もフィリォも、極真がサムライなんだ。(長島一茂がどうだかは知らない)

佐竹がフグの宿敵?

アンディ・フグの宿敵といえば佐竹雅昭ってか?佐竹の宿敵がアンディってならわかるけど。

芸能活動から戻ってきた佐竹の復帰戦なんて、王者フグのストイシズムをアピールするようなボディに対し、佐竹のボテ腹。挑戦者の癖に自分からちっとも手を出さない(出せない)上に、最後はアンディが「どうした、かかってこい!」とアピールしているのにスタミナ切れで、結局判定負け。

最近K-1ファンになった人は、日本人K-1といえば武蔵や中迫、あるいは天田やノブ・ハヤシであって、佐竹なんて顔も知らないっての。(下手に詳しいやつだと「佐竹?プロレスラーでしょ」なんて思ってたりして)

「藤原紀香号泣」

紙面ブチ抜きにしてまで、泣きはらした赤い瞳の藤原紀香の全身写真を掲載していた某紙をはじめ、多くのスポーツ新聞で藤原紀香を扱っていた。

フグとはSRSの司会をやっていたころからの付き合いだってのは知ってるけど、フグ自身よりも大きな扱いだもの。これじゃ「藤原紀香を出せば新聞が売れる。藤原紀香を出すいい機会だ」って編集方針が見えてくるみたいだよ。

どうせなら、ワイドショー根性を発揮して前夫人のイロナさんに迫れば?母国随一のトップモデルで、国民的ヒーローと結婚。それが、夫の夢のために捨てられ(?)、挙句の果てに離婚後に夫が死去。遺産はどうなる、なあんてね。(本当にやったら、それはそれで赦せないけど)

セコンドの気持ちはわかるけど

心臓が停止しても、3回も蘇生したというアンディ。マスターイシイも、「踊る肉団子の甘酢あんかけ」こと角田も、「最後はドクターストップで」と悔しがる。

ちょっと待てよ、医者が悪者かい!

「僕はレフェリングをしてた。ゴングが鳴るまで終わりじゃない。続行、続行、ファイティングポーズを取れと言いつづけた」と角田師範代。試合を一番近くで見ているレフェリーなら、ドクターストップが入る前にRSCにしてくれよ。

白血球が常人の数十~五十倍、肺がカビだらけ、内臓どころか最後は脳からも出血。早期なら80%の確率で助かる病気も、これだけ合併症を背負いまくっては助からない。蘇生するたびにセコンドは「まだ負けていない」という気持ちだっただろうけど、状況を把握している専門家(医者)から見ればとっくにスタンディングダウン、「なぜタオルを投げてやらないんだ」という気持ちだったんじゃないのか。

死という相手は、負けを認めれば二度とリベンジを挑めない。格闘家として、アンディのセコンドとして、アンディの友として、アンディのファンとして、人として、終わりを認めたくない。その気持ちはわかる。すっげーよくわかる。だけど。

作成:2000年10月6日

布忠.com