クリスマスの雑学


クリスマスって何の日?

ご存知の方も多いと思いますが、クリスマスはキリスト教のお祭りです。では何をお祝いする日かご存知でしょうか。

「キリストの誕生日」という答えが多いのではと思いますが、惜しいけど違います。
正確には、「キリストが世に来たことを記念する日」なのです。

「誕生日とどう違うんじゃい!」と言われそうですね。
イエス・キリストがマリアから生まれたのが何月何日かはわからないのです。
わからないどころか、聖書の記録を読むとどうも夏の出来事だったようです。
というのも「野宿していた羊飼いたち」が生後すぐのイエス・キリストをおがみに来たと記録されていますからです。
ただでさえ内陸性気候の荒れ野は、夜はひどく冷え込みます。まして冬には、とても野宿なんかできません。

とまあ、何月何日かはわからないのだけれど、神であるキリストが人間となって、マリアという女性から生まれ、イエスと名づけられたことは、確かなこととして聖書に書いてあります。
じゃあその日を記念しよう。その日というものがなかったら、つまりキリストが来なかったら、救いはなかったのだから。というのが、クリスマスの起源なのです。


なぜ12月25日?

いつだかわからないなら、なぜ12月25日になったのでしょうか。
これには諸説あります。

信頼できる史料のうち最古の記述としては、西暦336年の、ローマの行事を記した”フィロカリアンカレンダー”というものに、
「12月25日、キリストはユダヤのベツレヘムでお生まれになった」
と書かれています。

12月25日であることには、異教の習慣によるとも言われます。
ローマでは太陽神を崇拝する宗教の影響によって、冬至の祭りを12月25日に祝う習慣がありました。冬にむかって日が短くなっていきますが、冬至から日が長くなるため、冬至の日は”太陽の誕生日”だったのです。
ここにキリスト教が伝わった後、キリストが世に来たことを、太陽が現れることになぞらえて、冬至の日にクリスマスを祝うようになったという説です。

というわけで、12月25日がクリスマスということの背景には、異教的な要素が残っていることになるため、クリスマスだからといって特別な行事をしない教会もあるとのことです。
また、12月25日というのは西方教会(ローマカトリック。プロテスタントもこの流れ)のクリスマスで、東方教会(ロシア正教、ギリシャ正教など国ごとに)では「12月25日あるいは1月6日」となっています。

ついでに、クリスマスといいながらなぜイブに盛り上がるのか、ということについて。
現在私たちが使っている時計では、午前0時から新しい一日が始まりますね。
でもイスラエルでは、日没から新しい一日が始まったのです。
ですから、”12月25日の夜”というと、私たちの時計で24日の日没から25日の日の出までということになります。
私の出席している教会でも、12月24日の晩に、キャンドルサービス(キャンドルをともしての礼拝。「サービス」は礼拝の意味)をおこないます。


クリスマスのカレンダー

アドベント第一日曜日

12月25日の4回前の日曜日=11月30日に一番近い日曜日。
この日から、クリスマス(降誕節)を待ち望む期間であるアドベント(待降節)になります。
教会暦(教会のカレンダー)は、この日から新年です。

アドベント第二日曜日

12月25日の3回前の日曜日。

アドベント第三日曜日

12月25日の2回前の日曜日。

アドベント第四日曜日

12月25日の直前の日曜日。

クリスマスイブ

言わずと知れた12月24日。多くの教会で、この夜に特別な礼拝をおこないます。
イブを「前夜祭」だと思っている人がいますが、これはイブニングの略。つまりクリスマスイブは「クリスマスの夜」という意味です。なぜそれが12月24日かというと、日没で日付けが変わるという考え方をしているのです。つまり12月24日の日没から12月25日の日没までが「クリスマス」で、そのイブニングということです。

クリスマス

12月25日。
神の御子イエス・キリストが世に来たことを記念する日。
「クリスマス」は「キリストのミサ(キリストの祭り)」の意味。

顕現日(けんげんび)

1月6日。
誕生したイエス・キリストを、東から来た学者(口語訳では”博士”)たちが礼拝した日とされています。
異邦人がキリストを礼拝した日を記念することによって、キリストが、イスラエルのためだけでなく、全人類のために来た(→ルカ福音書2:31-32)ことを記念します。


サンタクロースの正体

ちまたでは「サンタクロースはキリストの親友」だとか「いとこ」だとかの説もあるそうですが、全然ちがいます。
聖書にもサンタクロースは出てきませんし、キリスト教の教義にも関係ありません。あくまでも「クリスマスの風習」です。
教会の教えとはあまり関係なく、ただクリスマスの行事として定着しているものです。

ではサンタクロースとは何者なのか。
聖ニコラスがその正体だといわれています。セイント・ニコラス → サンタクロースというわけです。
彼はカトリックではこどもたちの守護聖人で、
残酷な領主に殺されたこどものために祈ったところ、そのこどもが生き返った、などの伝説があります。

クリスマスのころ、ニコラスは貧しい街で、こどものいる家に窓から金貨を放り込んで歩いたそうです。ある家で、たまたま放り込んだ金貨が、暖炉のそばに干してあった靴下に飛び込んだので、サンタが暖炉の煙突から入ってきて靴下にプレゼントを入れていく、という話しになったのだとか。(←伝聞調)

【サンタのコスチューム】

しかし、ススだらけになる煙突から出入りするという伝承で、なぜあんな汚れが目立つ赤い服なのでしょう。
サンタの服が赤いのは、コカコーラ社が宣伝にサンタクロースのキャラクターを使ってからなのだそうです。 (ああ、話題がどんどん聖書から離れていく。。。)


クリスマスツリー

クリスマスツリーも、サンタクロースと同じく、聖書ともキリスト教の教えとも関係のない「風習」です。
というかもともとは、これも「12月25日」と同様、異教的なものなのです。

キリスト教が伝わる前のヨーロッパでは、寒冷地に住むゲルマン民族にとって、常緑樹であるモミの木は「希望」や「命」を象徴するものとして崇拝されていました。ドイツでは今でも、クリスマス行事とは無関係に、悪霊除けとしてモミの枝を飾るそうです。
また、モミの木に住む小人が吉事をなすということで、この木を飾り立ててそのまわりで踊る祭りがあって、これがキリスト教と融合してクリスマスツリーの原形になった、という話しもあります。

よりキリスト教的には、こんないわれもあります。
イエス・キリストが馬小屋で生まれた時、「布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。」(ルカ福音書2:7)
と聖書にありますが、この飼い葉桶がモミの木でつくられていたことから、クリスマスを象徴する木になったという説です。
実はイスラエルでは、飼い葉桶は一般に木製ではなく石製であるというオチがつくのですが。

【ツリーはいつ飾る?】

1997年、TBS「はなまるマーケット」というTV番組で「クリスマスツリーは、いつ飾って、いつ片付けるもの?」という視聴者からの質問をとりあげていました。

番組ではカトリックの神父さんにインタビューに行っていましたが、「クリスマスツリーは聖書に根拠はないのだけれど、クリスマスの行事としては、アドベントに入ったら出して、顕現日でしまったらいいのでは」という答えでした。
つまり、クリスマスの4回前の日曜日から、1月6日までです。

ただし番組では「日本では正月に門松を出すし、クリスマスと大晦日のナカを取って12月28日ころにツリーをしまったらいい」という、せっかくの神父さんの答えを無にする結論になってしまいましたが。(苦笑)

【ツリーの飾り方】

もともとキリスト教の教義から出たことではないので、飾り付けは自由です。
ただ、これも上の番組の時に同じ神父さんが答えていたことですが、ツリーのてっぺんに飾る星だけは、はずせないと思います。東からきた学者たちがイエス・キリストを探していた時、「東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。」(マタイ2:9)と記録されていることから、クリスマスを象徴するからです。

ツリーの枝に吊るすオーナメントの中でも、ちいさなプレゼントをかたどったものなどは、この学者たちがイエス・キリストにささげた宝物をイメージさせます。


このページを読んで、クリスマスパーティーや忘年会の席でウンチクかたるもよし、
「今年は、クリスマスの本家本元の教会に行ってみよう」と思っていただけると、うれしいです。
クリスマスは、結婚式や葬式と並んで、クリスチャンでない人でも教会に行きやすいときだと思います。


作成 1998.12
更新 2003.11.26
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