やさしい聖書のお話

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エリコの戦い

今日のお話しから(2000年11月26日)

モーセの後継者ヨシュアに率いられ、イスラエルは荒野を前進してきました。先祖アブラハムの時代から、神様が「あなたがたに与える」と言っていた約束の地カナン(現在のパレスティナ地方)に、いよいよ入っていくのです。でもその前に、カナン人の都市の中でも有数の堅牢な城壁に囲まれた都市エリコを突破しなければなりません。

二人の偵察

ヨシュアは二人の偵察員を、エリコに送り込みました。
現代ではライバル会社の情報収集をするのに、その会社の近所の赤ちょうちん(一杯飲み屋)へ行くそうです。社員が飲みながら会社の悪口(内部情報)を言うのを聞けるからだそうですが、たぶん同じような発想で、エリコに入った偵察員は、情報収集のためにラハブという女の売春宿に泊まりました。
しかし、連戦連勝のイスラエルが接近するというのでエリコはかなり警戒していたらしく、二人の侵入はたちまちバレて、ラハブのところへ官憲がやってきたのです。敵地で潜伏先がばれたスパイほど危険な立場はありません。危うし!
ところが、エリコ人ラハブが、敵イスラエルの偵察員をかくまい、官憲に「確かに二人のイスラエル人が来たが、城門がしまるころに出ていった。急げばきっと捕まえられる」とウソを教えたのでした。なぜこの売春婦は、敵である二人を助けたのでしょうか。

恐れるエリコ

官憲を追い返したラハブは、隠れていた二人にこんなことを言い出しました。

「イスラエルの主なる神が、このカナンをイスラエルに与えたので、私たちは恐怖に襲われ付近の住民はおびえきっています。イスラエルがエジプトを出たときに主がイスラエルのために海の中に道をつくったことや、ヨルダン川の東の王たちを全滅させたことは、みんな知っています。このニュースで、イスラエルの神である主こそが天地の神であると知って、エリコ人は心がなえてイスラエルに立ち向かおうという勇気のある人は一人もいません」

なんということでしょう、エリコ人がそれほどイスラエルを、いえイスラエルが信じている神様を恐れているなんて。思い起こせば40年前にも、イスラエルはカナンを攻めようとしました。でもその時には、12人の偵察のうち10人が「カナン人は強すぎます。絶対に勝てません」とモーセに報告し、民全体にも「カナン人は巨人だ。戦えば虫けらのように叩き潰される」と吹きこんだので、勝利を与えると約束した神様にそむいて、エジプトに帰ろうとしたのです。そしてその不信仰の罰として、荒野を40年間もさまようことになったのでした。
でも40年の間に立場は完全に逆転していたのです。ところで、40年前に12人の偵察員の中で2人だけ「神様に従えばカナンに勝てる」と報告しましたが、その1人が、今イスラエルを率いているヨシュアだったのでした。

エリコの戦い

偵察は宿営に無事帰りつくと、ラハブから聞いた話しを報告しました。エリコ人が戦う気力もないと聞いて、イスラエル人は勇気百倍です。
しかしエリコの町は頑丈な城壁に囲まれています。城壁の上にも家を建てて人が住んでいるほど、頑丈で分厚い城壁に囲まれた都市を、どうやったら攻略できるのでしょうか。イスラエル人がエリコを攻撃するなら、勝つとしても容易ではない戦いになったでしょう。でもこれまでだって、イスラエルが勝つときには、神様が戦ってくださったのです。勝利は神様がくださるもの。そして今回も神様がイスラエルに示した作戦は、イスラエルではなく神様がエリコを打ち破るというものでした。その作戦とは。。。
戦いの初日、イスラエル軍は隊列をくんでエリコの城壁の周りを一周しました。先頭には祭司たちが、神様が確かに一緒にいることの証拠「契約の箱」を、おみこしのようにかついでいます。エリコは城門を固く閉じて、息を潜めています。いよいよイスラエル軍がやってきたと思って守備についたのに、イスラエル軍は一周しただけで、包囲もしないで帰っていったのです。次の日も、その次の日も、イスラエルはただ無言で一周しただけでした。これが6日間続いたのです。
エリコ人は不気味だったでしょう。イスラエル軍もこの作戦の意味は全然わかりませんでしたが、「これは神様の作戦だから、神様の命令に従えば絶対に勝てる」ということだけわかっていました。
7日目だけ、イスラエルは7周しました。そして7周後に祭司がラッパを吹くと、ヨシュアは「今だ、エリコにむかって大声で叫べ、主がこの町をイスラエルに与えられたのだ」と合図したので、イスラエル全軍がエリコに向かって大声を上げたのです。たったそれだけでした。それだけで、あの頑丈な城壁が崩れ落ちてしまったのです。
もちろん、崩したのは神様でした。そして戦う勇気もなかったエリコ人が、城壁を失っては防衛することもできません。こうしてエリコは陥落し、全滅させられたのです。

ラハブ

ところでラハブは、偵察員が帰る時「わたしがあなたがたをかくまったように、あなたがたも私の一族を助けてください」と頼んでいました。偵察員はこの約束を持って帰ったので、ヨシュアはエリコを全滅させましたが、ラハブの一族だけは助けました。
なぜエリコが全滅させられ、売春婦ラハブだけが助かったのでしょうか。

ノアの洪水のとき、神様は、箱舟が完成してから7日目に洪水を始めました。もし人々がそのあいだに箱舟に乗り込めば、ノアたちと一緒に助かることもできたかもしれませんが、人々は洪水が始まるまで何もせずに、結局ほろぼされたのです。
エリコ人も、7日目に神様が城壁を崩してイスラエル軍が襲いかかるまで、イスラエルに本当の神様がいると気づいていながら何もしませんでした。エリコ人は、洪水で滅びた悪い人間たちと同じだったのです。そして今回はイスラエル軍が、洪水の役割を果たしたのです。
エリコ人全員が「イスラエルには本当の神様が味方しているのだから、俺たちは負けて滅ぼされるんだ」と思っていた中で、ラハブは、偶然のようにやってきた偵察に活路を見つけ、恩を売って命拾いしようとしただけかもしれません。でも大事なことは、神様がいるほうに行ったことです。死から命に移ろうとして、ラハブは箱舟にもぐりこんだのです。

偵察員がラハブのところにきたのも、ひとつの都市が滅ぼされる中で売春婦だけが助かったのも、けっして偶然ではなく、神様の計画の中で起きたことです。ラハブが助かったのは、運がよかったのではなくて、神様の遠大な計画の一部だったのです。
というのは、ラハブの子孫として、すべての人を罪から救うイエス様が誕生することになるからです。もうすぐクリスマス。マタイ福音書1章にイエス様の系図が記録されていますが、その中にちゃんと、この罪深かったラハブの名前も載っています。

「今日のお話しから」は、幼稚園礼拝で聖書のお話をした際に、保護者向けに作成したレジュメです。

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作成:2000年11月26日

布忠.com