やさしい聖書のお話

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海にできた道

今日のお話しから(2000年10月22日)

10月から教会学校では、エジプトで奴隷になっていたイスラエルが、神様が遣わしたモーセに率いられてエジプトから救い出された物語を見ています。映画「十戒」や「プリンス・オブ・エジプト」でも扱われました。先週のお話しで神様の不思議な力でエジプトを脱出したイスラエルは、神様が昔「この地をあなたの子孫に与える」と約束した地カナン(現在のイスラエルを中心とした広い地域)を目指しますが、大きな試練が襲ってきます。

ファラオの変心

数々の奇跡による災厄で打ちのめされたファラオとエジプト人は、エジプトの神々を圧倒する『主』という神の力を知り、イスラエル人を奴隷にし続けるのをあきらめ出て行かせました。いえ、追い出したのです。でも、壮年男性だけでも60万人という奴隷(労働力)を失うと、エジプト経済は大打撃を受けました。生産も建築もすべてとまったのです。
するとファラオは「やはりはやまったことをした。軍を出せ、イスラエルを連れ戻せ」と命じ、エジプトが誇る戦車部隊を率いて出発したのです。(戦車はもちろん現代のような物ではなく、馬に引かせる2輪の馬車のようなものです)
ところがファラオのこの心変わりは、神様がそうさせたものだったと記録されています。エジプトを徹底的に打ちのめし、神様がイスラエルを守ることを、イスラエルにも、これからイスラエルが戦わなければならない諸部族にも、示すためだったのです。そのために神様は、ファラオを罠にかけます。荒野を行進していたイスラエルを少しバックさせて、海の前で宿営させ、ファラオにこう思わせたのです。「イスラエルは荒野で道に迷った。追えば、前は海で逃げ場がないから、一人残らず捕まえて連れ戻せる」

あわてふためくイスラエル

一方、神様がモーセを通じて指示したとおりに海辺に宿営したイスラエルは、砂丘のむこうから現れたエジプト軍を見て、パニックになりました。「俺たちをこんな荒野に連れ出したのは、エジプトに墓がないからか。どうしてエジプトから連れだしたんだ。あんたが『出て行こう』と言ったとき、『ほっといてくれ、荒野で死ぬよりエジプトで奴隷でいたほうがマシだ』と言ったじゃないか」と、モーセにつかみかかる勢いです。でもモーセは答えました。「恐れてはならない。落ち着いて、今日、あなたたちのために行われる主の救いを見なさい。主があなたたちのために戦われる。あなたたちは静かにしていなさい。」

主が戦う

神様も、「なぜわたしにむかって不満を言うのか。いいから出発しなさい」とモーセに言いました。といっても、後ろからはエジプト軍、前には海、いったいどこへ?
「モーセよ、杖を高く上げ、手を海に向かって伸ばせ。そうすれば私は海を左右に分けるから、イスラエルの民は海の中の乾いた所を通ることができる。しかし、わたしはエジプト人を頑迷にするから、エジプト軍はさらにお前たちを追おうとするだろう。そのとき、わたしはファラオとその全軍、戦車と騎兵を破って栄光を現すので、エジプト人は、わたしが主であることを知るようになる。」
もちろんモーセは、命じられた通りに海に向かって手を伸ばしました。すると神様は激しい東風をまる一晩も吹かせて、海を押し返したのです。シロッコと呼ばれるこの東風は、アラビア砂漠を超えてくる熱風で、数時間も吹けば気温が15~20度もあがるといいます。神様はこの東風を一晩中、海が押し返されるほど吹かせたのです。言ってみれば、想像を絶する超巨大超強力な自然のヘアドライヤー。なにしろ海が左右に別れて現れた海底は、歩きにくいドロドロ状態ではなくて、道のように乾いていたと記録されているほどです。ここを通ってイスラエルは前へ前へと逃げ始めました。
この間、エジプト軍は何をしていたのでしょう。ヒーローロボットが合体するあいだ待っている悪役のように、何もしないで待っていたのか?いえ、何もできなかったのです。天使がイスラエルとエジプト軍のあいだに入って、日のあるあいだは真っ黒な雲で、夜になってからは目がくらむような閃光でエジプト軍の邪魔をしていました。そして朝の見張りの頃(午前2~6時)になってやっとエジプト軍がイスラエルを追って海の中の道に入っていくと、神様は今度はエジプト軍自慢の戦車の車輪をはずしたりして、進軍しにくくさせました。
エジプトの職業軍人たちは、雲や光に邪魔されても海がわかれても「こんな自然現象など偶然だ」と思ったかもしれません。しかし戦闘中に戦車の車輪がはずれるなんてことは信じられませんでした。自分たちが戦争に備えていつも整備をおこたらなかったはずの自慢の戦車が、いざ突撃というときに次々と動作不良をおこすなんて!こんな馬鹿な!あり得ない!
「退却しよう、あの『主』とかいうすごい神が、イスラエルのためにエジプトと戦っているんだ」エジプト軍がそう気づいたときにはもう手遅れでした。神様がモーセに「もう一度手を海の上に伸ばせ」と命じたのでその通りにすると、イスラエルが進んでいるあいだは左右で壁のようになっていた海の水が、エジプト軍の上に襲いかかり、夜明け前には海はもとどおりになってしまったのです。

こうしてエジプト軍は全滅し、イスラエルは助かりました。こののちイスラエルでは、神様のことを「わたしたちをエジプトから救い出した方」と呼ぶようになります。
イエス様も、「恐れるな」とか「恐れることはない」と何度も言っています。どんなに絶体絶命と思っても、どんな試練の中でも、「私は無力でも神様は無敵だ」と信じるなら、神様は一番良い方法で解決してくださるのです。もしイスラエルが、神様の救いを待たずにエジプトに降伏していたら、彼らはまた奴隷になったでしょう。
神様の計画は、私たちの期待するタイミングや方法ではなく、神様のタイミングと方法で実行されます。たいていの場合は、私たちは待たされることになるでしょう。空手に「押忍(おす)」という言葉があります。忍はしのぶとか耐えるという意味で、試練を一歩引いて忍ぶのではなく、前に踏み出して(押)受け止める(忍)という言葉です。私たちも、「神様を信じる」という積極的な姿勢で、試練にあたっていけば、神様は道を開いてくださいます。

おまけ

毎週日曜放映のスーパー戦隊シリーズ「タイムレンジャー」のクライマックスで、「緊急システム発動依頼」の掛け声とともに出撃する場面。時間を超えていくタイムロボのジェット機が、モーセによって海が左右にわけられる場面の上を飛んでいくぞ(週によっては出撃シーンがカットされます)

「今日のお話しから」は、幼稚園礼拝で聖書のお話をした際に、保護者向けに作成したレジュメです。

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作成:2000年10月22日

布忠.com