やさしい聖書のお話

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神の計画の実現

今日のお話しから(2000年8月13日)

今日は、ヤコブの息子ヨセフの物語の最終回でした。

前回までのお話し (創世記37章,39章~41章)

ヨセフは12人兄弟の11番目だったが、父にとっては4人の妻の中でも最愛の妻が生んでくれた、しかも今は亡きその妻に生き写しの、年を取ってからの子だった。ヤコブはヨセフを溺愛し彼にだけ晴れ着を作ってやり、ヨセフも兄たちのことを父に告げ口するなどしていた。しかもある日、ヨセフが「こんな夢を見た。畑仕事をしていたら、兄さんたちの束が僕の束にひれ伏したんだ」と言い出した。神様は夢を通して、神様の計画やメッセージを人に示すことがあるので、兄たちは「俺たちがみなヨセフの家来になるのが神様の計画なのか」と心配になり、ヨセフを憎み、殺そうと考えた。そして父の目の届かない草原でヨセフを殺そうとしたが、殺しても何の得にもならないと考え直し、通りかかった隊商にヨセフを奴隷として売って、父にはヨセフが死んだように思い込ませた。
ヨセフはエジプトに売られ、奴隷にしては出世したが、今度は無実の罪で牢に入れられてしまう。その牢に宮廷の給仕役も入れられてきた。エジプト人も夢には隠された秘密があると考えていたが、ヨセフは給仕役の夢を解き、そのとおりに給仕役は牢から出され復職していった。
その2年後、ファラオが不思議な夢を見たが、誰もその夢を解けなかった。そのとき給仕役が、牢にいるヘブライ人がかつて私の夢を解いたと王に教えたので、ヨセフはエジプトの王の前に引き出され、王の夢を解き、これから7年の大豊作と、それに続く7年の大飢饉がくることを教えた。ファラオは神がヨセフと共にいることを悟り、ヨセフを大抜擢して、すべての行政権をゆだね大豊作と大飢饉の対策にあたらせることにした。こうして奴隷として牢獄にいたヨセフは、大国エジプトの最高権力者となった。。。

夢が本当になる (創世記42章~45章)

7年間の大豊作がおわり、7年間の大飢饉がはじまりました。でもエジプトでは、ヨセフ大臣が豊作のあいだに穀物を貯蔵させていたので、問題はありません。もしヨセフがファラオの夢の意味を教えてくれなかったら、大飢饉へのそなえなど考えもしないで、エジプトは滅びていたかもしれません。ファラオとエジプト全国民は、ヨセフをつかわした偉大な神に感謝したことでしょう。

ところでこの飢饉はエジプトの近隣の地域をも襲ったので、諸国からエジプトに穀物を買いにくるようになりました。そこでヨセフは最高司政官として、穀物の販売を監督していました。そこへ、ヨセフの兄たちも、パレスティナから買出しにやって来たのです。最後に会っとき、つまりヨセフが兄たちによって売り飛ばされたときから20年が経っていましたが、ヨセフにはすぐに兄たちだとわかりました。ところが兄たちは、まさか奴隷になったヨセフがエジプトの最高権力者になっているなどとは想像もできませんし、エジプトの大臣ヨセフとヘブライ人の兄弟のあいだには通訳がいたこともあって、目の前にいるのが弟とは気づかずに、エジプトの大臣の前にひれ伏したのです。こうして、むかしヨセフが見た夢が現実のことになったのでした。
ところがヨセフは、兄たちを「エジプトの様子を探りに来たスパイ」だと断じたのです。兄たちが「自分たちは正直な兄弟です」と答えると、ヨセフは今回兄たちが連れてこなかった末の弟を連れてくれば信用すると答え、そのときまでの人質に兄の一人を牢に入れてしまったのです。
末の弟のベニヤミンは、ヨセフと同じ母から生まれました。ヨセフを失った老ヤコブにとっては、生きる希望です。今度の買出しにも、ヤコブはベニヤミンを行かせようとしませんでした。しかしヤコブ達は、この飢饉が7年も続くことを知りません。買ってきた食料は底を尽き、涙ながらにヤコブはベニヤミンを兄弟と一緒に買出しに行かせました。
なつかしい弟ベニヤミンの顔を見たヨセフは、急いで席をはずしました。胸が熱くなり涙がこぼれそうになったからだと、聖書に記録されています。やがて席に戻ったヨセフは、牢に入れていた兄を引き渡し、兄弟に食事を振る舞い、食料を買うのを許したのです。

疑いが晴れたと思った兄たち。しかしヨセフは、もうひとつわなを仕掛けました。自分の銀製の杯をベニヤミンの荷物の中に隠したのです。そして兄弟が帰路についたところで執事に捕まえさせ、杯を盗んだ者を奴隷にすると宣告しました。執事はベニヤミンの荷物から杯を見つけると、兄弟たちをヨセフの元へ連行しました。
ヨセフは、兄たちをためしたのです。昔、父の目の届かない草原で自分を殺そうとし、奴隷として売った兄たち。今また、父の目の届かないエジプトで、当時のヨセフ以上に父の愛を独占しているだろうベニヤミンを、兄たちがどうするか。もし昔のままの兄で、これをいい機会だとばかりにベニヤミンを置いていこうとするようなら……。

そのとき、ヨセフを売った張本人のユダが、弁明をはじめました。
「ご主君様。わたしたちは昔、ヨセフという弟のことで罪を犯しました。今こうして不幸な目に会うのは、その罰なのです。しかしどうか、このベニヤミンだけは父の元に帰してください。この子に何かあれば、父は悲しみのあまり死んで、わたしたちは年老いた父を殺すことになるのです。代わりに、わたしをご主君の奴隷にしてください。この子を連れずに帰って、どうして父の顔を見ることができるでしょうか。」

聞いているうちに、ヨセフは気持ちを押さえられなくなっていきました。ベニヤミンを見捨てるどころか、自分が身代わりになると言い出すなんて。父はやはりベニヤミンべったりのようだが、その父を悲しませるわけにはいかないと言うなんて。それに、兄たちは自分を売ったことを神の前に後悔している。
ヨセフは部屋にいたエジプト人全員にむかって「出ていってくれ」と叫びました。そして声をあげて泣きながら「わたしはヨセフです。お父さんはまだ生きておられますか」と身を明かしたのです。そして、飢饉はまだまだ続くから、父を連れて全員でエジプトに引っ越してくるようにと言ったのです。
ニュースを聞いたエジプト人は、ヨセフの兄弟が来たと大騒ぎ。ファラオも、自分の馬車をヨセフの兄たちに与え、これに父親を乗せてすぐに連れてくるようにと命じました。エジプトを救ったヨセフの身内ともなれば、第一級の国賓です。こうしてヤコブの一族は、飢饉を避けてエジプトに移ることになりました。

ヨセフにはすべてがわかりました。自分がエジプトに売られ、牢に入れられ、そこで給仕役と出会い、ファラオの夢を解き、エジプトの大臣になったのは、こうして家族を救うための神様の計画だったのです。しかも奴隷や囚人という経験をすることで、生意気だったヨセフも変わりました。そのあいだに兄たちも変わりました。はじめは、ヨセフの生意気さや兄たちの憎しみから始まりましたが、神様は人間の悪い心を超えて、すべてをよいところへ導くのです。
神様の計画はこれで終わりませんでした。ヤコブの一族は70人ほどでエジプトに引っ越したのですが、数百年後にエジプトを出て行くときには200万人もの民族になり、パレスティナに帰って国家をつくるのです。さらにその千数百年後のクリスマスに、ユダの子孫からイエス様が生まれます。

「今日のお話しから」は、幼稚園礼拝で聖書のお話をした際に、保護者向けに作成したレジュメです。

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作成:2000年8月13日

布忠.com