やさしい聖書のお話

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イサクの結婚

今日のお話しから(1999年11月20日)

教会学校では10月から、アブラハムの生涯について聖書を見てきました。最終回はその息子イサクの結婚の物語です。

【アブラハムの信仰】

アブラハムは神様の恵みによって、幸せな老後を送っていました。しかしただ一つ、そして重要な気がかりを抱えていたのです。それは「息子イサクにふさわしい嫁をむかえなければ」ということでした。ふさわしいと言っても、家柄や財産のことではありません。子孫に信仰を継承するために、同じ神様を信じる女性を息子の嫁に迎えたいのです。子どもに何を食べさせるかとか、どんな教育を与えるかとか、一番良いもの、一番ためになるものを子どもに与えたいのが親でしょう。そして信仰者にとって、食品より教育より優先して子どもに与えたいものは、本当の神様との関係つまり信仰を受け継がせるということなのです。「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。」(マタイ福音書6章33)と書いてあることからも、信仰を遺産として次代に残すのは、どんな宝や財産にもまさるのです。
さて、今アブラハムが住んでいるパレスティナの人々は、人間が手で彫った像を拝むような人ばかりですが、異教徒(本当の神様ではないものを礼拝している外国人)と結婚したために信仰を失い堕落した人の例が、聖書には多くあります。名君といわれたソロモン王でさえ、異教徒と政略結婚したために王妃の母国の宗教にかたむき、政治を誤って晩節を汚すことになりました。
「しかし故郷の親族なら神様を信じているかもしれない。そこから嫁を取ろう」と考えたアブラハムは、信頼できる番頭を故郷に派遣することにしたのです。
※ この番頭について、今日の礼拝では「エリエゼルさん」と呼びましたが、聖書ではただ「僕(しもべ)」と書かれています。(↑この名前は創世記15:2から借りました)

【番頭の信仰と神様の答え】

番頭はさっそく、主人の故郷である東にむかって出発しました。そして目指す町に着くと、井戸のそばでまず祈りました。
「神様。私は水汲みに来る娘さんたちに『水を飲ませてください』と尋ねます。もし私に飲ませてくれて、しかも頼まないのにラクダにまで飲ませてくれる娘さんがいたら、その人こそあなたが私の主人イサクの嫁に決めた人とさせてください」

この番頭は年寄りだったと記録されていますから、それなりの人生経験を積んでいたことでしょう。しかし自分の知恵で嫁探しをするのではなく神様にまかせたのが、番頭の信仰です。しかも、自分の眼鏡にかなう女性を「これが神様の決めた花嫁」と思いこもうというのではなく、かなり難しい条件を設定しているのです。
このあたりの井戸は、大きな穴を階段で底まで下りていって、水がめに汲んでまた上まで階段をのぼってくるものが普通です。そうまでして汲んだ水、少し親切な娘さんなら、見知らぬ人(番頭と従者)にも飲ませるかもしれませんが問題はラクダです。ご存知の通りラクダは砂漠に強い動物ですが、逆に言うと飲めるときにかなりの水を飲むということでもあるのです。そのラクダを番頭は10頭も連れていたのです。「普通ならそんなことはしない。そこまでしてくれる娘さんがもしもいるなら、それは私の祈りを神様が聞かれたということだ」と番頭は祈ったのです。
すると番頭がまだ祈り終わらないうちに、一人の美しい娘さんが水汲みにやってきました。番頭が水を求めると「どうぞ飲んでください」と水がめを差し出し、「ラクダにもたっぷり飲ませてあげましょう」と言って、せっかく汲んできた水を水槽(家畜が水を飲むためのもの)に全部あけると、井戸と水槽の間を走って往復し始めたのです。しかも、ラクダが満足したところで番頭が名を尋ねると、アブラハムの甥ベトエルの娘リベカだと答えるではないですか!
さっき自分が祈った通りの、しかも主人が望んだ親族の娘。番頭は思わず、「神様はすばらしい。私の旅路を導いて、主人の一族の家にたどりつかせてくださった」と感謝の祈りをささげたのでした。

※ 番頭が祈り終わらないうちに神様はリベカを番頭に会わせました。これはマタイによる福音書6章8にこう書いてあるとおりです。
「あなたがたの父は、願う前から、あなたがたに必要なものをご存じなのだ。」

【リベカの実家の信仰】

リベカの家に招かれた番頭は、いままでのいきさつをすべて話しました。「お嬢様を主人の子息の嫁にいただきたい」とは一言も言わず、「私が祈ったら、神様がお嬢様を私に示されました。このことを受け入れますか?否なら私は嫁探しを続けて旅を急ぎます」と尋ねたのです。
縁談の使者としては型破りですが、リベカの兄と父はこう答えました。
「これは神様の意思ですから、私たちがとやかく言う問題ではありません。リベカを連れていって、神様が決めたとおり、ご主人のご子息の妻になさってください」
アブラハムが願っていたとおり、故郷の親族は神様を信じていたのです。
こうして縁談はまとまりました。番頭は主人からあずかってきた装身具や衣装をリベカに送り、家の者にも高価な品物を送りました。

【結婚】

リベカの家族にしてみればもう少し別れを惜しみたいところでしたが、この縁談をここまで導いたのは神様ですし、神様の計画を人が遅らせたりするのは正しいことではありません。番頭は翌朝さっそく、リベカとその乳母をつれて、西へ出発しました。
彼らがアブラハムのもとに帰ってきたのはちょうど夕方で、イサクは散歩に出ていたところでした。この、イサクとリベカがはじめて出会うところは、聖書でも一番美しい場面ではないかと思います。東から来たリベカから見ると、砂漠に沈む大きな夕陽の中に壮年イサクのシルエットが浮かんでいます。イサクから見ると、番頭から受け取った金銀の装身具を夕陽に輝かせながら、ベールをかぶった花嫁が近づいてくるのです。
二人は言ってみれば、親が決めた結婚でした。でもイサクは、この結婚が神様によってととのえられたことを番頭から報告されると、それを受け入れてリベカを妻に迎えたのです。

【信仰を受け継いでいくということ】

こうしてイサクは、同じ神様を信じる女性と結婚することができました。これからしばらくしてアブラハムは天国に召されるのですが、どんな財産にもまさる信仰を遺産とすることができました。そしてイサクはその子ヤコブに、ヤコブはその12人の息子たちにと、本当の神様を信じる信仰を伝えていったのです。

【今日のお話しの聖書箇所】

創世記24章,25章8節

アブラハムは多くの日を重ね老人になり、主は何事においてもアブラハムに祝福をお与えになっていた。
アブラハムは家の全財産を任せている年寄りのしもべに言った。「手をわたしの腿の間に入れ、天の神、地の神である主にかけて誓いなさい。あなたはわたしの息子の嫁をわたしが今住んでいるカナンの娘から取るのではなく、わたしの一族のいる故郷へ行って、嫁を息子イサクのために連れて来るように。」
しもべは尋ねた。「もしかすると、その娘がわたしに従ってこの土地へ来たくないと言うかもしれません。その場合には、御子息をあなたの故郷にお連れしてよいでしょうか。」 アブラハムは答えた。「決して、息子をあちらへ行かせてはならない。天の神である主は、わたしを父の家、生まれ故郷から連れ出し、『あなたの子孫にこの土地を与える』と言って、わたしに誓い、約束してくださった。その方がお前の行く手に御使いをつかわして、そこから息子に嫁を連れて来ることができるようにしてくださる。もし女がお前に従ってこちらへ来たくないと言うならば、お前は、わたしに対するこの誓いを解かれる。ただわたしの息子をあちらへ行かせることだけはしてはならない。」
そこで、しもべは主人アブラハムの腿の間に手を入れ、このことを彼に誓った。しもべは主人のらくだの中から十頭を選び、主人から預かった高価な贈り物を多く携え、アラム・ナハライムのナホルの町に向かって出発した。
女たちが水くみに来る夕方、彼は、らくだを町外れの井戸のかたわらに休ませて、祈った。「主人アブラハムの神、主よ。どうか、今日、わたしをかえりみて、主人アブラハムに慈しみを示してください。わたしは今、御覧のように、泉のかたわらに立っています。この町に住む人の娘たちが水をくみに来たとき、その一人に、『どうか、水がめを傾けて、飲ませてください』と頼んでみます。その娘が、『どうぞ、お飲みください。らくだにも飲ませてあげましょう』と答えれば、彼女こそ、あなたがあなたのしもべイサクの嫁としてお決めになったものとさせてください。そのことによってわたしは、あなたが主人に慈しみを示されたのを知るでしょう。」
しもべがまだ祈り終わらないうちに、見よ、リベカが水がめを肩に載せてやって来た。彼女は、アブラハムの兄弟ナホルとその妻ミルカの息子ベトエルの娘で、際立って美しく、男を知らない処女であった。彼女が泉に下りて行き、水がめに水を満たして上がって来ると、しもべは駆け寄り、彼女に向かい合って語りかけた。「水がめの水を少し飲ませてください。」
すると彼女は、「どうぞ、お飲みください」と答え、すぐに水がめを下ろして手に抱え、彼に飲ませた。
彼が飲み終わると、彼女は、「らくだにも水をくんで来て、たっぷり飲ませてあげましょう」と言いながら、すぐにかめの水を水槽に空け、また水をくみに井戸に走って行った。こうして、彼女はすべてのらくだに水をくんでやった。
その間、しもべは主がこの旅の目的をかなえてくださるかどうかを知ろうとして、黙って彼女を見つめていた。
らくだが水を飲み終わると、彼は重さ一ベカの金の鼻輪一つと十シェケルの金の腕輪二つを取り出しながら、「あなたは、どなたの娘さんですか。教えてください。お父さまの家にはわたしどもが泊めていただける場所があるでしょうか」と尋ねた。
すると彼女は、「わたしは、ナホルとその妻ミルカの子ベトエルの娘です」と答え、更に続けて、「わたしどもの所にはわらも餌もたくさんあります。お泊まりになる場所もございます」と言った。 彼はひざまずいて主を伏し拝み、「主人アブラハムの神、主はたたえられますように。主の慈しみとまことはわたしの主人を離れず、主はわたしの旅路を導き、主人の一族の家にたどりつかせてくださいました」と祈った。
娘は走って行き、母の家の者に出来事を告げた。
リベカにはラバンという兄がいたが、ラバンはすぐに町の外れの泉のかたわらにいるその人のところへ走った。
妹が着けている鼻輪と腕輪を見、妹リベカが、「その人がこう言いました」と話しているのを聞いたためである。彼が行ってみると、確かに泉のほとりのらくだのそばにその人が立っていた。
そこで、ラバンは言った。「おいでください。主に祝福されたお方。なぜ、町の外に立っておられるのですか。わたしが、お泊まりになる部屋もらくだの休む場所も整えました。」
その人は家に来て、らくだの鞍をはずした。らくだにはわらと餌が与えられ、その人と従者たちには足を洗う水が運ばれた。
やがて食事が前に並べられたが、その人は言った。「用件をお話しするまでは、食事をいただくわけにはまいりません。」「お話しください」とラバンが答えると、その人は語り始めた。
「わたしはアブラハムのしもべでございます。主がわたしの主人を大層祝福され、羊や牛の群れ、金銀、男女の奴隷、らくだやろばなどをお与えになったので、主人は裕福になりました。奥様のサラは、年をとっていましたのに、わたしの主人との間に男の子を産みました。その子にわたしの主人は全財産をお譲りになったのです。主人はわたしに誓いを立てさせ、『あなたはわたしの息子の嫁を、わたしが今住んでいるカナンの土地の娘から選び取るな。わたしの父の家、わたしの親族のところへ行って、息子の嫁を連れて来るように』と命じました。
(中略)こういうわけで、わたしは、今日、泉のかたわらにやって来て、祈っておりました。(中略)わたしがまだ心に言い終わらないうちに、リベカさまが水がめを肩に載せて来られたではありませんか。そして、泉に下りて行き、水をおくみになりました。わたしが、『どうか、水を飲ませてください』と頼みますと、リベカさまはすぐに水がめを肩から下ろして、『どうぞお飲みください。らくだにも飲ませてあげましょう』と答えてくださいました。わたしも飲み、らくだも飲ませていただいたのです。
『あなたは、どなたの娘さんですか』とお尋ねしたところ、『ナホルとミルカの子ベトエルの娘です』と答えられましたので、わたしは鼻輪を鼻に、腕輪を腕に着けて差し上げたのです。
わたしはひざまずいて主を伏し拝み、主人アブラハムの神、主をほめたたえました。主は、主人の子息のために、ほかならぬ主人の一族のお嬢さまを迎えることができるように、わたしの旅路をまことをもって導いてくださいました。あなたがたが、今、わたしの主人に慈しみとまことを示してくださるおつもりならば、そうおっしゃってください。そうでなければ、そうとおっしゃってください。それによって、わたしは進退を決めたいと存じます。」
ラバンとベトエルは答えた。「このことは主の御意志ですから、わたしどもが善し悪しを申すことはできません。
リベカはここにおります。どうぞお連れください。主がお決めになったとおり、御主人の御子息の妻になさってください。」アブラハムのしもべはこの言葉を聞くと、地に伏して主を拝した。そして、金銀の装身具や衣装を取り出してリベカに贈り、その兄と母にも高価な品物を贈った。しもべと従者たちは酒食のもてなしを受け、そこに泊まった。
次の朝、皆が起きたとき、しもべが、「主人のところへ帰らせてください」と言うと、リベカの兄と母は、「娘をもうしばらく、十日ほど、わたしたちの手もとに置いて、それから行かせるようにしたいのです」と頼んだ。
しかししもべは言った。「わたしを、お引き止めにならないでください。この旅の目的をかなえさせてくださったのは主なのですから。わたしを帰らせてください。主人のところへ参ります。」 「娘を呼んで、その口から聞いてみましょう」と彼らは言い、リベカを呼んで、「お前はこの人と一緒に行きますか」と尋ねた。「はい、参ります」と彼女は答えた。
彼らは妹であるリベカとその乳母、アブラハムのしもべとその従者たちを一緒に出立させることにし、リベカを祝福して言った。「わたしたちの妹よ。あなたが幾千万の民となるように。あなたの子孫が敵の門を勝ち取るように。」リベカは、侍女たちと共に立ち上がり、らくだに乗り、その人の後ろに従った。しもべはリベカを連れて行った。
イサクはネゲブ地方に住んでいた。そのころ、ベエル・ラハイ・ロイから帰ったところであった。
夕方暗くなるころ、野原を散策していた。目を上げて眺めると、らくだがやって来るのが見えた。
リベカも目を上げて眺め、イサクを見た。リベカはらくだから下り、「野原を歩いて、わたしたちを迎えに来るあの人は誰ですか」としもべに尋ねた。「あの方がわたしの主人です」としもべが答えると、リベカはベールを取り出してかぶった。しもべは、自分が成し遂げたことをすべてイサクに報告した。
イサクは、母サラの天幕に彼女を案内した。彼はリベカを迎えて妻とした。イサクは、リベカを愛して、亡くなった母に代わる慰めを得た。
アブラハムは長寿を全うして息を引き取り、満ち足りて死に、先祖の列に加えられた。

「今日のお話しから」は、幼稚園礼拝で聖書のお話をした際に、保護者向けに作成したレジュメです。

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作成:199年11月20日

布忠.com