民数記 第10回

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アロンの権威(17章6節~18章7節)

さらに反逆

コラの仲間が大地に飲み込まれ、同調した250人が焼け死んだ翌日。今度は民全体が[モーセとアロンに逆らって、「あなたたちは主の民を殺してしまったではないか」と不平を言った]と記録されています。
しかし彼らがモーセとアロンに逆らって集結し、幕屋の方を向いたとき、すでに雲が幕屋を覆い、例の『主の栄光』が現れていたのです。今までは民が不平を言っても、ヤハウェの怒りが下る前にモーセが民を鎮めようとしたのですが、今回は民が不平を言い出したとたんにヤハウェが降臨しています。相当な怒りなのでしょう。まったくもってこの愚かな民は、何一つ悟ろうとしないのですから。そして[この共同体から離れなさい。わたしは直ちに彼らを滅ぼす]と告げると、モーセがとりなす暇もなく、ヤハウェの怒りは疫病となって、集結していた人々を襲ったのです。

モーセはただちに、アロンを走らせました。香炉に祭壇の火を入れて香を焚き、ヤハウェの怒りの前に『なだめの献げもの』として香を天高くのぼらせなければ。ヤハウェの怒りは正当かつ当然とはいえ、神の民が滅びることだけは避けなければなりません。民のためにも、それ以上に、ヤハウェが異民族から「イスラエルを約束の地に入れることができなかった」と侮られないためにも。
モーセの命令どおり、アロンは反逆のため集結している人々の中へ走っていって、イスラエルの罪をあがなうために香を焚きました。すると疫病の蔓延はアロンの立っているところで止まったのです。こうして災害はおさまりましたが、みずからの罪のために疫病で死んだ者は14,700人だったと記録されています。

見えるかたちで

前日のコラ事件では、焼き殺されたのが250人、地に飲まれた人数の記録はありません。そして今日は14,700人。たった二日でこれだけの者が、ヤハウェをあなどった報いを受けたのです。
この事態にヤハウェは、あらためて自分がレビ族とアロンを選んでいることを示すことにしました。12の部族に、部族の長の名前を書いた杖を一本ずつ持ってこさせたのです。そして幕屋の中の、あの十戒の石板をおさめた「契約の箱」の前に杖を置かせ[わたしの選ぶ者の杖は芽を吹くであろう。わたしはこうして、あなたたちに対して続いたイスラエルの人々の不平を取り除こう。]と告げたのです。
これまでヤハウェは、モーセとアロンを選んでいることを、本人たちをとおしてイスラエルに告げてきました。これではイスラエルが「ヤハウェのことばといいながら、実際にはモーセとアロンが勝手に仕切っているんじゃないか」と不満を持っても仕方なかったかもしれません。(にもかかわらずヤハウェがこういうやりかたを取ってきたのは、アダムとエバがおきてを破る可能性を承知で禁断の木の実をエデンに置いていたのと同様、イスラエルが自分の意志で、モーセの告げるヤハウェの言葉に従うかどうかを選ばせるためだったと思われます)
そこでヤハウェは、ヤハウェにしか不可能な現象を有無を言わさず見せつけることで、確かに自分がアロンを選んでいることを示すことにしたのです。

各部族の長の名が記された12本の杖が、幕屋の掟の箱の前に置かれました。そして翌朝、モーセが取り出してみると、[レビの家のアロンの杖が芽を吹き、つぼみを付け、花を咲かせ、アーモンドの実を結んでいた]と記録されています。モーセは12本の杖を民に見せたのち、アロンの杖だけを、アロンの家がヤハウェに選ばれている証拠として、反逆した者たちに対する警告として、幕屋に保管しました。

のちにキリストも「見ないで信じる者は幸いである」と教えています。逆にいえば「見ないで信じる」のはそれだけ難しいということです。しかし今、自分たちのあやまちを見せつけられたイスラエルは、[ああ、わたしたちは絶えてしまいます。破滅です。わたしたちは皆、破滅です。主の幕屋に近づく者が皆死ぬのであれば、わたしたちは絶え果てるではありませんか。]と怖れおののくばかりでした。

祭司職の再確認

恐れおののくイスラエルのために、ヤハウェはふたたび、祭司の職務に関する律法を示しました。

レビ部族のアロン家の者が、聖所と祭司職に関する罪責(責任)を負うこと。アロン家以外のレビ部族を、アロン家の助け手(助手というよりパートナーか)として、ともに幕屋の前でヤハウェに仕えさせること。しかし(コラが分不相応に望んだように)祭具と祭壇に近づいてはならないこと。
そして、レビ族以外の一般人が近づいてはならないこと。
これに従う限り、いま民が恐れているようなことにはならず、怒りが再びイスラエルの人々に臨むことはないということ。

そして[わたしは祭司職を賜物(たまもの)としてあなたたち(アロン家)に与える。]と加えました。アロンに功績があったわけでなく、レビ族がすぐれているわけでもなく、祭司職はただヤハウェから一方的に与えられた賜物(プレゼント)なのです。

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#114
更新:2002年12月29日

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