レビ記 第7回

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祭司の就任(8章)

奉納についての条項の提示が終わったところで、実際に大祭司と祭司の任命式がおこなわれました。8章はその記録です。
これまではアロンはモーセの補佐役兼広報担当でしたが、今ここで祭司制度が制定され、アロンが初代の大祭司となるのです。

祭服(*1)、聖別するための油、そして奉納物が用意され、民全員が幕屋の前に集まりました。そしてモーセの[これは主の命じられたことである]という宣言によって、任命式が始まったのです。

モーセの前に(というのはこの時点では祭司がいないので、別格扱いのモーセが任命式をとりしきるからです)アロンとその子らが進み出ました。モーセは彼らを水で清め、そして祭服一式を着用させます。胸当てには、ウリムとトンミム(*2)が入れられました。

次にモーセは、"聖別の油"を幕屋とその中の祭壇や祭具にそそいで、聖別つまりヤハウェのために聖なるものとしてとりわけました。さらにアロンの頭にもそそがれ、彼も聖別されたのです。

聖書は続けて、この任命にともなういけにえについて記録しています。定められたとおりに、牛や羊が殺され、その血が祭壇にそそがれます。そして定められた分は祭壇で燃やされて、煙と香りにしてヤハウェの分とされ、別の定められた分はイスラエル数百万人の宿営の外に運ばれて焼却されました。

続いてアロンたちの右耳、右手の親指、右足の親指に、いけにえの血が塗られました。ヤハウェの声を聞く祭司の耳と、ヤハウェの命じたことを行う祭司の手と、ヤハウェに従って歩む祭司の足がきよめられたのです。
モーセはさらに、聖別の油と、祭壇に残っていた血を、アロンたちの頭と祭服にふりかけました。血だらけの祭司、そしてここまでに流されたいけにえの血の量。実際にこの祭祀を見たとしたら凄惨とも言える光景だったろうと思います(*3)。しかしこの祭儀は、民全員というからおそらくは子供たちまで見守る中でおこなわれたのです。人間はこうまでしなければならないほど、あがなわれる必要があるという事実から、目をそらすことは許されませんでした。

ですが、ヤハウェは恐ろしいほど厳格に裁く正義そのものであると同時に、人の罪の清算のためなら動物をいけにえとして殺すのをゆるすほどに、人間に愛をそそいでいるのです。この祭儀にも、恐ろしい血の場面だけではなく、祝宴の時も用意されていました。

いけにえのうち、一部は煙と香りにしてヤハウェのもとへ、そして一部は祭司が食べる分として、さらに一部は、モーセの分として取り分けられました。ヤハウェと祭司たちが分け合って食事をともにしたのです。(記録されてはいませんが、民も幕屋の庭の外で一緒に、それぞれ食事をしたのではないかと思います)

この祭祀は7日間続けられました。[今日とり行ったことは、あなたたちのために罪を贖う儀式を執行せよという主の御命令によるのである。]とあり、また[アロンとその子らは、モーセを通して主が命じられたことすべてを、そのとおり実施した。]とも記録されています。

祭司のおつとめ(9章)

8日目にモーセは、アロンたち祭司と民を代表する長老たちを呼び集め、定められたとおりに奉納物を用意するように命じました。記念すべき第一回の、祭司によるイスラエルからヤハウェへの奉納が行われるのです。

このときモーセは、ヤハウェの約束を伝えました。[今日、主はあなたたちに顕現【けんげん】される。]つまりヤハウェが自身を民に示すというのです。エジプトを出てからここまでの短い期間でさえイスラエルはヤハウェに反逆し、そのために一度はイスラエルを離れるとまで言ったヤハウェが顕現する!

命じられたとおりのささげものが幕屋の前に持って来られ、民が幕屋の前に集合し、そしてモーセの[これは主があなたたちに命じられたことであり、主の栄光があなたたちに現れるためなのである。]という宣言で奉納が始まりました。
5節から21節までのあいだに「これは命じられたことである」「命じられたとおり」が何度も繰り返されているように、すべてがおきてに従って進められました。
そして最後にモーセとアロンが幕屋から出てきて民を祝福した時、[主の栄光が民全員に現れた。]と記録されています。さらに[主の御前から炎が出て、祭壇の上の焼き尽くす献げ物と脂肪とをなめ尽くした。]のです。

「主の栄光」というのがどういうものだったのか、よくわかりません。前にシナイ山では、[主の栄光はイスラエルの人々の目には、山の頂で燃える火のように見えた。]と記録されていました(*4)。火ではないが、火のように見える「具体的な何か(あるいは現象)」だったようです。
シナイ山のときにはヤハウェの栄光を見た民は恐怖しましたが、今回は[これを見た民全員は喜びの声をあげ、ひれ伏した。]と記録されているのも、興味深いところです。


*1 祭服
「祭司のファッション」のページ参照。

*2 ウリムとトンミム
ヤハウェの神意を占うアイテム。サイコロのようなものだったといわれる。

*3 いけにえとして殺される動物の生命について
「神は生け贄の命をどう考えているのでしょうか?」のページ参照。

*4 出エジプト記24章16-17

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#097
作成:2001年11月22日
更新:2002年12月13日

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