出エジプト記 第8回

menu

ファラオvsヤハウェ(3)(9章13節~10章20節)

第七の災厄

ヤハウェはモーセをつかわし、ファラオに告げました。

今までもエジプトを絶滅させることはできたが、あなたにわたしの力を示してわたしの名を全地に語り告げさせるために生かしておいた。

このことばは実現しました。誇り高きエジプトは、自分たちの敗北を記録して後世に残すようなことはしませんでしたが、聖書に記録されてしまっていたために、ヤハウェがファラオとエジプトに力を示したことは、全地の多くの人が知るに至りました(今これを読んでいるあなたにも知らされてしまいました)

そしてヤハウェは、次の奇跡を予告したのです。

明朝、エジプト始まって以来かつてなかったほどの激しい雹(ひょう)を降らせる。人をやって、野にいる家畜を避難させるがいい。

第五の災厄のときも、エジプト人の中にはモーセの予告を聞き、ファラオの意に反した行動をとったようでした。今回はファラオの家臣たちにも、ヤハウェをおそれて自分の家畜と牧童たちを家に避難させる者があったと記録されています。
その一方。まれには雹が降ることもありましたが、雨さえ少ない地で「そんなばかなことが」と思った人は多かったでしょう。その人たちはこれまでの災厄から何も学ばずヤハウェをあなどって避難させなかったことを、翌朝とても後悔することになりました。
翌朝、ヤハウェの指示によりモーセが杖を天に伸ばしたあとに起きたことを、聖書はこう記録しています。

主は雷と雹【ひょう】を下され、稲妻が大地に向かって走った。主はエジプトの地に雹を降らせられた。雹が降り、その間を絶え間なく稲妻が走った。それははなはだ激しく、このような雹が全土に降ったことは、エジプトの国始まって以来かつてなかったほどであった。雹は、エジプト全土で野にいるすべてのもの、人も家畜も残らず打った。雹はまた、野のあらゆる草を打ち、野のすべての木を打ち砕いた。

ファラオは王宮からこの光景を見て、愕然とした事でしょう。敵が攻めてきたなら自慢の戦車隊で追い払うこともできるが、天変地異が相手ではもはや神々に祈るしかない。しかしヤハウェの前にはエジプトの神々が無力であることは、この雹と雷がまたもイスラエル人居住区ゴシェンだけをよけていることからも明らか。

ファラオはモーセとアロンを呼びよせ、ついに自分の過ちを認めました。最初は「主とは何者か」といっていたファラオが、ヤハウェの存在をみとめ、その力を認め、ついにその前に膝を屈したのです。
しかしモーセの祈りによってヤハウェが雷と雹を止めると、ファラオも家臣たちも心を頑迷にして、イスラエルを去らせませんでした。

ところで、この雹では亜麻と大麦が壊滅したものの、小麦と裸麦は壊滅を免れたと記録されています。しかし続く災厄が、雹の害を免れたすべてのものをほろぼすのです。

第八の災厄

「ファラオが頑迷なのは、わたしがそうさせているからだ」というヤハウェは、なぜファラオを頑迷にするのかをモーセにこう説明しました。
第一に、ヤハウェがエジプト人の中で”しるし”つまりヤハウェが主であることの証拠をおこなうため。
第二に、ヤハウェがエジプト人をどのようにあしらったか、どのような力あるわざをおこなったかを、イスラエルが子々孫々まで語り伝えるため。
第三に、それによってヤハウェが主であることをイスラエルの民が知るため。

そして次にヤハウェがエジプトに送る”しるし”とは。
モーセはまたファラオの前に出て「まだ拒みつづけるなら、主はいなごを送りこむ」と告げて退出しました。

これを聞いてたまらなくなってきたのは家臣団です。彼らは王に「即刻あの者たちを去らせ、彼らの神、主に仕えさせてはいかがでしょう。エジプトが滅びかかっているのが、まだお分かりになりませんか」と進言します。

国の経済のためにイスラエル人奴隷を手放すわけにはいかないと考えていたファラオですが、奴隷を引き止めているためにかえって経済に大打撃を受け、しかも国民にも直接的な被害が出ているのも事実。
なんとか妥協点をさぐろうと、ファラオはモーセとアロンを呼び戻しました。しかし、家族を人質にしておいて男たちだけで礼拝に行かせようとしたファラオの目論見はモーセに破られ、交渉は決裂します。そしてモーセが杖を差し伸べると、ヤハウェがまる一昼夜のあいだ東風を吹かせ、いなごの大群を運んで来たのです。聖書はこう記録しています。

いなごは、エジプトの領土全体にとどまった。このようにおびただしいいなごの大群は前にも後にもなかった。いなごが地の面をすべて覆ったので、地は暗くなった。いなごは地のあらゆる草、雹の害を免れた木の実をすべて食い尽くしたので、木であれ、野の草であれ、エジプト全土のどこにも緑のものは何一つ残らなかった。

あわててファラオはモーセとアロンを呼び、あやまちを悔い、主に祈願してくれと頼みました。
モーセがヤハウェに祈ると、ヤハウェは風向きを変えて西風にしたので、いなごは吹き飛ばされて”葦の海”に追いやられ片付きました。
しかし災厄が去るとファラオはまたも、いや、ヤハウェがファラオの心をかたくなにしたので、ファラオはイスラエル人の出発をこばみました。

前へ 上へ 次へ

#060
作成:2000年1月26日
更新:2002年12月11日

布忠.com