創世記 第6回

menu

失楽園その1(3章)

動物の中で、一番賢いのはなんでしょう。クジラやイルカ?盲導犬や介助犬として活躍する犬?最近の報道によると、都会のカラスの脳は犬より優秀なのだとか。

世界が創造された時点では「野の生き物のうちで、最も賢いのは蛇であった」と記録されています。なんと足で歩き、しかも人語をあやつるという賢さでした。
しかしこの蛇を悪魔があやつって、アダムとエバをヤハウェに反抗させます。ご存知、失楽園の物語です。

罪(1節~7節)

エデンの中央に「命の木」と「善悪の知識の木」がありました。すべての木の果実がアダムとエバの食料でしたが、ヤハウェは[善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう]と禁じていました。

「食べるな、と言われると余計に食べたくなる」というのが人情と思われるかもしれません。がしかし、欲望というものさえ知らない二人には、[見るからに好ましく、食べるに良いものをもたらすあらゆる木]が目の前に一年中あるというのに、わざわざ禁を犯そうなどとは思いもしませんでした。

しかしそこに、蛇=悪魔がやってきました。

悪魔は蛇によって、エバにこういいました。[『善悪の木の実を食べると死ぬ』とヤハウェが言ったそうだが、決して死ぬことはない。それを食べると、物事がよくわかるようになり、ヤハウェのように善悪を知るものとなることを、ヤハウェはご存じなのだ]

「それは、そんなに悪いことじゃない。むしろ、いいことがある」というのは悪魔の常套手段です。
悪魔は、みずから悪事を働くというよりも、誘惑する者であり、そそのかす者なのです。なぜなら悪魔は、人間が自分の意思で悪をおこなって、ヤハウェから離れるのを狙っているからです。もしあなたが「正しいことじゃないけど、それほど悪いことでもないよな」なんて考えている自分に気づいたら、後ろで悪魔が喜んでいるかも。。。

エバも、悪魔の”そそのかし”にまんまとはまってしまいました。
改めて見てみるとなんともおいしそう。それに、『DHA配合』なんて品質表示はありませんでしたが、言われてみるとなんだか賢くなりそうな気もするのです。

こうしてエバは(蛇にそそのかされたとはいえ)自分の意思でヤハウェのおきてにさからって、その木の実を食べてしまいました。そして彼女にすすめられると、アダムも食べてしまったのです。

さて、二人の運命や如何に。

悪魔というのは、ヤハウェに代わって天地を支配しようとしている、そのために人間と創造者ヤハウェの関係を裂こうとしている存在です。
「全身が黒くて、耳が三角で、とがったしっぽ」なんて絵本や漫画に出てくるような、明石屋さんまのブラックデビルみたいな悪魔はいません。でも、悪魔は確かに存在すると聖書はいいます。

自分の存在を隠すのが悪魔の存在意義の第一歩ですから、「神様ってのは存在するかもしれないが、悪魔ってのはうさんくさいなと」思ったとしても当然です。もし悪魔が「俺様こそ諸悪の根源だ。お前を悪の道に引きずり込んでやる」なんて迫ってきたら、とりあえず逃げましょう。でも悪魔はもっと巧妙にあなたを狙っているのです。

おまけ

いわゆる”禁断の木の実”は、しばしばリンゴで表現されますが、聖書にはリンゴとは書いてありません。ただ「いかにもおいしそうで、目を引き付け、賢くなるよう」だとあるだけです。もちろんリンゴも神が創造しましたから、エデンにあったと思いますが。

リンゴに限らず、たとえば天使が金髪碧眼の白い肌で描かれることが多いのも、西欧人(白人)のイメージです。キリスト教は西洋の宗教と言われますが、実際には西アジアからのものです。もしヨーロッパより先に東アジアに伝わっていたとしたら、禁断の木の実はモモとかビワだったかもしれませんね。

前へ 上へ 次へ

2版:2003年02月27日

布忠.com